〜困ったときのお葬式マニュアル〜
葬儀・告別式の実際
1.通夜
通夜とは
通夜とは、夜を徹して死者を見守り、生きている時と同じように仕えながら、死者と遺された者が最後に交わりをもつ時間なのです。遺族の心情においては、死者はまだまだ生きている家族なのです。こうした遺族の心情を大切にして通夜を過ごしたいものです。
現代の通夜は
親族が地元にいるとは限らず、また、いろいろな人に連絡する都合もあって、 死の当日は「仮通夜」と称して家族で死者を見守り、葬儀・告別式の前日を「本通夜」とするケースが多く見られます。
(本)通夜は
夜の6時~7時の1時間程度を僧侶の読経と弔問客による焼香にあて、終了後弔問客に対して「通夜振る舞い」の酒や食事を供し、1~2時間で順次散会、後は遺族や身近な者だけで死者を見守る、というのが一般的です。
2.葬儀・告別式
葬儀式と告別式の違いは
葬儀式とは死者をこの世からあの世に引き渡す宗教的な儀礼であり、告別式とは会葬者が遺族に慰めの言葉を寄せ、一人一人焼香または献花して死者に別れを告げる儀礼であって、本来は違った性格のものなのです。 ところが、現代にあっては参列者が忙しい、火葬の時刻が定まっているなどの理由から、葬儀式と告別式とを併せて1時間程度で済ますことが要請され、葬儀式と告別式の同時進行が一般的となったため、現在の葬儀・告別式が誕生しました。しかしこのあり方には批判もあり、再考を要する時期に来ています。 大規模葬儀に見られる「密葬ー本葬」方式、最近流行の「密葬ーお別れ会(偲ぶ会)」方式は、機能から見れば葬儀式と告別式を分離して行おうとするものと理解できます。
葬儀・告別式の一般的な流れ
(1)一同着席
(2)導師入場・開式
(3)葬式作法 (読経、引導)
(4)式辞・弔辞
(5)焼香・読経
(6)導師退場・閉式
(7)一同退場
(8)お別れの儀 *骨葬では行われません
(9)棺搬出 *骨葬では行われません
(10)遺族代表挨拶
(11)出棺 (霊柩車出発) *骨葬では遺骨の見送り
※(1)~(3)あるいは(4)までが葬儀式部分、(4)または(5)~(7)が告別式部分です。
3.火葬
火葬と拾骨
火葬場に行くときには、火葬・埋葬許可証の持参を忘れないようにします。火葬時間は、山口県では早いところで1時間20分程度から2時間程度までと火葬場によって幅があります。 遺体を火葬した後の遺族による拾骨は、日本独特の儀礼と言われています。昔は1人が箸でもった遺骨を順に次の人に渡していく形でしたが、現在では2人で一組になって遺骨を拾います。拾骨は、関東など全部の遺骨を拾骨するところと、関西など「喉仏」や歯骨など一部を拾骨するところ、また胴骨と歯骨とを分けて拾骨するところなど、地域差があります。全部拾骨の場合には、足、腕から順に頭部まで拾い、最後に喉仏を拾います。分骨するか否かは事前に申し出ておきます。
4.精進落とし
還骨法要
仏教式の葬儀では、拾骨後自宅に戻り、遺骨を祭壇に安置して法要を営みます。 これを「還骨回向」、または「還骨勤行」などと呼びます。 近年では、これに合わせて初七日の法要を繰り上げて行うのが一般的となっています。繰り上げられた法要は「取り越し法要」とも言われます。
「精進落とし」とは
火葬後、または葬儀・告別式の終了後に設ける宴席を一般には「精進落とし」と言 います。この宴席の意味は大きく2つあります。
1.僧侶などの宗教者、手伝ってくれた方への感謝の席
2. 故人を偲んで食事をし、話をし、交わる席
元来、魚や肉などを食べずに精進した中陰の期間に区切りをつけ、日常生活に戻ることから精進落としと言われ、魚や肉などの「なまぐさもの」が出されました。 宗教者を上席にし、遺族は末席に位置するのが一般的です。
引出物
地方により、宴席に出た人に「引出物」を渡すところもあります。
「もしも」の時にあわてないために、お葬儀に関することはお近くの山口県葬祭業協同組合加盟の葬儀社へお気軽にお問い合わせください。
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